はじめに
心が弱っているとき、誰かに相談することは大きなチャレンジとなります。そして時には、相談相手から予期せぬダメージを受けてしまうこともあります。
この記事では、相談による心の傷つきを最小限に抑えるため、各種相談サービスを「人との接触度」という観点から整理してみました。
カテゴリー | 接触度 | 特徴 | 特に向いている人 |
---|---|---|---|
AI × テキスト | ★☆☆☆ | 24時間利用可能、完全匿名 | ・まずは試してみたい |
AI × 音声 | ★☆☆☆ | 上記に加え、音声会話が可能 | ・文字入力が苦手 |
人間 × テキスト | ★★☆☆ | 対人接触は最低限、具体的な支援と結びつく可能性も | ・じっくり考えて話したい |
人間 × 音声・映像 | ★★★☆ | リアルタイムな支援 | ・リアルタイムのやり取りを希望 |
人間 × 対面 | ★★★★ | 最も深い支援が可能 | ・専門的な治療が必要 |
1. AIによるサポート(接触度:最小)
1-1. AI × テキスト
基本的に高性能なAIほどコミュニケーション能力も高いと思われるので、相談先としては現在の主要な生成AIである、ChatGPT、Claude、Geminiが有力な候補になります。
特に、Claudeは自然な会話がしやすく、いきなり解決策を提案してくるというよりも共感的な応答が得意な印象です。
各サービスにはカスタマイズ機能があるため、「あなたは有能なカウンセラーです。共感的な態度で会話を行なってください」のような指示を設定しておくことで、より使いやすくなるかもしれません。
また、ChatGPTにはカスタマイズされたモデルを公開できるGPT Storeと呼ばれる仕組みがあります。ここにはカウンセリング目的でカスタマイズされたモデルがあり、試してみることができます。
これらのサービスは一言で言うと無料であることが一番のメリットですが、カウンセリングとしての品質は未知数です。私自身もこの用途で使用していないので、どの程度有用かは判断できません。
一方で、メンタルヘルスにフォーカスしているサービスも存在しますが、一部有料で提供されていることが多いです。無料で試してみて、自分に合っていそうだったら有料プランに加入、という流れになることが一般的かと思います。
以下の記事では、臨床心理士の方がいくつかのアプリを紹介しています。
1-2. AI × 音声
私自身は試したことがないのですが、最近はGemini Liveなどの音声で自然な会話が可能なサービスが存在するようです。
テキスト入力の手間が不要であったり、口語でコミュニケーションを取れるのは良い点かもしれません。ただし、カウンセリング用途で機能するのかは分かりません。
2. 人間によるサポート
2-1. 人間 × テキスト(接触度:小)
厚生労働省が紹介している民間の相談窓口がいくつか存在します。リンク先は「SNS相談」と書かれていますが、実際にはSNSのアカウントが不要なものも多いです。
対人接触が最低限で、心理的負担は小さいです。また、リアルタイムで話すよりもじっくり考えて相談したい人にも適しています。
2-2. 人間 × 音声・映像(接触度:高)
前述の「SNS相談」を提供している団体の中には、電話等での相談を受け付けているものもあります。
他に私の知っているサービスとしては、Cotreeがあります。有料ですが、カウンセラーのプロフィールを見て選べるというのはメリットだと言えます。
一般的には、公認心理師や臨床心理士といった心理的支援の専門家に相談すると、不用意に傷つけられる可能性が低いと言えるでしょう。特に、自分にトラウマがあり、それによって傷つきやすい状態になっていると感じるケースでは、トラウマやPTSDに詳しい専門家に相談することをおすすめします。
2-3. 人間 × 対面(接触度:最高)
いわゆる一般的なカウンセリング施設や医療機関、福祉施設が該当します。
多数存在するので、Web検索すれば近場の施設が見つかるかと思います。
これまで紹介してきたサービスと比べると接触度は最も高いですが、非言語コミュニケーションも踏まえた支援が期待できます。
おわりに
人との接触に不安がある場合、徐々に接触度を高めていくのも選択肢かと思います。この記事が、自分に合った相談方法を見つける一助となれば幸いです。